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情報革命ってどのぐらい影響あるのだろう 梶谷懐 「日本と中国経済 相互交流と衝突の100年」(2017年01年23日)
献本御礼、梶谷懐さんの「日本と中国経済」を、さまざまな飛行機を乗り継ぎながら読んだ。 献本御礼、梶谷懐さんの「日本と中国経済」を、さまざまな飛行機を乗り継ぎながら読んだ。 内容が多岐にわたる本なので、通して2回ぐらい読んでみたけど、まだあまりきちんと咀嚼できていないかもしれない。 日本と中国経済: 相互交流と衝突の100年 (ちくま新書1223) posted with amazlet{.markup–anchor .markup–p-anchor} at 17.01.23 梶谷 懐 筑摩書房 売り上げランキング: 13,325 Amazon.co.jpで詳細を見る 内容は20世紀に入ってからの中国・日本間の近現代史と経済交流、そして日中両国民の意見をわかりやすくまとめたものだ。僕の近現代の知識は「ヴォーゲルの鄧小平をかろうじて読んだ」(感想){.markup–anchor .markup–p-anchor}ぐらいの素人なので、「上海の租界で日本人がどういう商売をやっていて、満鉄の人たちとはどう意識が違ったか」なんて知識はまったくなかったので、歴史の教科書を読むような想いがあった。中国の話だと、とにかく「自分好みの結論を出すためにムリヤリまとめた」ような話が多くて読む気がしなくなるものが多いけど、梶谷さんはさすがプロ、すごく誠実に書いてある。 梶谷さんはニコ技深圳観察会の第6回に参加してくれて、ほんの少しだけど直接話したときに、あまり深く考えず中国を悪く言う人たちのことを気にしていた。この本を読むと、そういう人たちは100年前からいたことがわかる。 そして最後の章で、ニコ技深圳観察会がまとめた「メイカーズのエコシステム{.markup–anchor .markup–p-anchor}」を何回か引用してくれて、深圳のメイカーたちを「新しい流れ」として評価してくれている。プロの学者らしく、「新しいし明るい流れで何か良さそうだけど、うまくいくかどうかはまだよくわからない」という誠実な見方だ。 メイカーズのエコシステム 新しいモノづくりがとまらない。 (NextPublishing) posted with amazlet{.markup–anchor .markup–p-anchor} at 17.01.23 高須 正和 インプレスR&D 売り上げランキング: 33,608 Amazon.co.jpで詳細を見る 僕も何人かの中国人の友達たちは大好きだし、中国政府が日本の領空に軍用機を飛ばすのはやめてほしいと思うけど、だからといって深圳の電気街に行くのをやめようとは思っていないし、メイカーフェア深圳に来てくれる日本人が増えてくれるのは嬉しい。 少なくとも僕が会っている中国のメイカーたちに限っては、この本の「相互交流と衝突の100年」のうち、衝突の部分は感じない。二十代半ばの女性とニューヨークのメイカーイベントに行った帰りに、「日本っていまだに赤線があって売春が合法なんでしょう?」みたいな話を聞いて、「どうやらけっこう偏った教育かサブカルニュースが出回っているようだ」と思ったことがあったけど、僕は深圳にいて中国人に囲まれながら、自分が日本人であることで嫌な目にあったことは一度もない。 それは上海でもソウルでも北京でも変わらなかった。僕は普段英語で話すのだけど、向こうはムリして「コンニチワ」ぐらいは言ってくれて、通じると嬉しそうにする。僕がプレゼンのシメだけはなるべく現地の言葉で言おうとしているのとあまり変わらない。 これは端的にいって情報革命の影響だと思う。僕とソウルや深圳やバンコクや北京やベイエリアで会う人は、共通の知人が何人もいて、僕が最近何をしたか知っている。今いるバンコクで現地の友達から最初に聞かれたのは、「先週言ってたインドのメイカーイベントどうだった?」だった。 そのインドのイベントははじめて行ったのだけど、現地の3Dプリント業者と台湾出身のメイカーネットワークを繋げることができたし、いくつかのメイカースペースは僕と縁のある「東南アジアメイカースペースネットワーク{.markup–anchor .markup–p-anchor}」にコンタクトしてきてくれた。 僕たちのまわりは「お互いに直接関係のある情報」で満ちていて、テレビや新聞で言っているようなことを話題にしているヒマなんかない。 関わりの深い街、深圳に行くとさらにそうだ。ムンバイで僕とFablab台北のTedは、中国の義烏からロンドンまで列車が通ったニュースの話をしていた。日本語が母語の人も何人もいるけど、僕は日本語で話せるかどうかより、僕が興味のある話をしたがるかどうかを優先する。中国や台湾の友達も同じような気がする。どこの国かより、メイカーかどうかのほうが大事。 弊社の社長は「情報革命前の人たちと情報革命後の人たちはそもそも話が通じない{.markup–anchor .markup–p-anchor}」みたいなことを言っていた。 僕も同感で、僕の両親はパソコンを買ったことがない人たちなので、彼らよりもタイの大学生とかと喋る方が、身のまわりの話はしやすいと思う。たとえば「PPAP」について親に説明するよりも、地球の裏側の大学生と話す方が話題は通じそうだ。ソーシャルメディア、Youtube、CGMが身のまわりにあたりまえにあることは、いろいろなところで僕たちを変えつつある。 メイカーズのエコシステム{.markup–anchor .markup–p-anchor}でも書いたように、メイカームーブメントはたしかに製造業の話ではあるのだけど、それ以上に情報革命の一部という要素が大きいと思う。 以下の写真にいる人たちは100年前にはいなかったけど、今はそれなりにいる。未来にはさらに増えていくだろう。僕のソーシャルメディアでつながる外人フレンドは年々増え続けているし、僕の周りの人たちもみんなそうだ。情報革命が何か端的にいうと、アドレス帳の数が昔よりはるかに増え、その中に外国人も増え、普段見ている情報に国内か海外かの区別が減り、誰かメディアのプロがまとめたんじゃなくて、知人がシェアした情報を見て、自分もシェアすることなどだと思う。 僕が見ている深圳や東京、シンガポールの風景と、全然違う深圳や東京、シンガポールの風景を見ている人たちはたくさんいる。同じ都市で正反対のレポートや感想が上がることはあるだろう。それはあたりまえのことだと思う。「ビルが立ってるか建設中か」みたいな事実は一緒でも、感じ方は人それぞれ違うはずだし、インターネットはそうした違いを内包できているような気がする。 これが止まり、「昔は外人の友達がいっぱいいたけど、今は少なくなった」と言う人のほうが、そうじゃない人より増える時代は来るんだろうか。僕が外人の友達たちと話してる時の印象を、政治家やメディアのコメントが上回るときが来るんだろうか。 そういう話は、高口康太さんのこの本ともつながる。 なぜ、習近平は激怒したのか 人気漫画家が亡命した理由(祥伝社新書) posted with amazlet{.markup–anchor .markup–p-anchor} at 17.01.23 高口康太 祥伝社 売り上げランキング: 7,155 Amazon.co.jpで詳細を見る そんなことを考えながら、もう一回ぐらい読んでみると思う。いろいろなことを考えさせられる本で、おすすめです。 ...







