結論:めちゃめちゃな良書。お金を稼いでいる・支払っているあらゆる社会人が、教養として読んだ方がいいんじゃないかな、、、2016年に出たばかりで、最新情報が集まっている本なので、なるべく早く読んだ方がいいと思う。
結論:めちゃめちゃな良書。お金を稼いでいる・支払っているあらゆる社会人が、教養として読んだ方がいいんじゃないかな、、、2016年に出たばかりで、最新情報が集まっている本なので、なるべく早く読んだ方がいいと思う。
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柏木 亮二
日本経済新聞出版社
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Amazon.co.jpで詳細を見る 前に書いた中国FINTECH飲み会{.markup–anchor .markup–p-anchor}の時に著者の柏木さんからサイン本をいただいた。感謝。
この本はこんな内容が含まれている。
・金融サービスや取り巻く状況の、全域にわたるきちんとした解説
金融サービスがなんで始まり、どういうところで社会の問題を解決していて、いまこうなっているという、実はきちんと理解するのが難しい解説。たとえば僕は、つい最近まで銀行からの出資には5%ルールというのがあって、企業への投資がそもそもしづらいしベンチャー投資になるほどなりづらいことは知らなかった。
もちろん銀行だけでなく、金融規制やVC、さらには金融系ベンダーまで書いてある。
・世界中のFINTECH情報のきちんとした解説
日本やアメリカだけでなく、全体にわたってビッグニュースも相対的に小さい話もきっちり押さえてある。たとえばアメリカのソフィという金融サービスは学資ローンを貸し主・借り主を直接つなげることで効率化をしているのだけど、さらに同じ大学の先輩後輩を全体にすることにすることでより借りやすく貸しやすくしている、なんていう話が出てくれば、楽天やamazonがそれぞれのプラットフォームに参加している店にどういう金融サービスを提供してくれるという話も、ケニアで普及しているエムペサの話も出てくる。
・テクノロジーのきちんとした解説
ブロックチェーン、ディープラーニング、与信、オーソリといった仕組みについて原理含めてわかりやすくきちんとした解説
・それぞれの根拠、出典、数字
日本のクラウドファンディングで回っている数字の総額も、成長しているという数字のデータがどこから持ってきたかも書いてある。あるていど偉い人・パワーある人(たとえばMITの伊藤穣一とかゴールドマンサックスの社長とか)の言葉は、そういうバランスを保った上で特徴的な立場の特徴的な言葉を選んでいる。
・バランスが良く、事実ベースで書いている
特定の何かにのめり込まず、本当に全体を、その前の金融テクノロジーまで含めて総覧していて、淡々と書いているだけにこの事象のすごさがわかる
・そしてわかりやすい。僕はこの本で扱っている分野について、たぶんテクノロジーの部分だけちょっと詳しいぐらいだと思うので、普通のサラリーマンにちょっと足したぐらいの知識しかないと思うけど、この本で理解するのにストレスがかかるところはまったくなく、とりあえず一読するのに2時間ぐらいしかかからなかった。不要な専門用語は出てこない。大事なキーワードにはきちんと説明が、本文の中にわかりやすい言葉で書いてある。
上に挙げた内容を全部カバーする本を書くのは大変だ。素人がわかりやすいトピックに飛びついてヒートアップして「xxの革命」「xxxの衝撃」「xxは世界を変える」みたいな本や、とにかく新しいことに夢中で今の構造をよく把握しないで「とにかくイノベーション」みたいな言説はいっぱいあるけど、それらの考えの足りないお調子者とこの本『フィンテック』は明確に一線を画す。
著者の柏木さんはもともと野村総研総合研究所で技術インパクト評価、金融関係のコンサルなどに取り組んできていたこの分野のプレーヤーだ。かつレッシグの「CODE」の翻訳を共同でやるぐらい、本業以外の部分(おそらく、新しい分野であるインターネット関係)にも関心を払ってきたようだ。そして、2009年ぐらいから追いかけてきたFINTECHの世界中の情報をきちんと咀嚼・消化して書いてあり、全体が細かく見えていながら特定の部分にとらわれていない。
たとえば僕はこの本を読んで、
・2015年の日本でインターネットバンキングで不正に払われたのは30億円
・2015年の日本でクラウドファンディングに使われたのは285億円
という二つの数字を見た。僕は日本のクラウドファンディングってもっと小さくて、オレオレ詐欺等の詐取はもっと大きいと思っていた。もちろん不正送金をゼロにする試みは大切だけど、テクノロジーでネットでお金が払えるようになったことは、そのマイナスよりメチャメチャ大きな投資を生んでいるのだ。おそらく若くてこれまで投資なんかやらなかった人たちから。
ほかにも、
・アメリカの若い人たちの「嫌いなブランド」にデカイ銀行はだいたい入っている
・アメリカでは9000万人ぐらいが500ドル以下の貯金しか持ってない(これはぼくも目を疑った。そりゃあトランプの支持率上がるわ)
その他、データを見て考えると目から鱗が落ちるような視点の展開をいくつも味わった。2時間で読み終わったけど、これから何度か読み返す本になると思う。
入門書として最適なんだろうけど、僕に知識や識見が増えるとよりこの本から得るものも大きくなるだろう。
CNBCという有名なアメリカのメディア企業は、「ディストラプタ50」という、「既存のビジネスをぶっこわして新しいビジネスの仕組みを作った企業」を発表している。たとえばタクシー会社とUberとかだろう。たしかに社会は進化するために変わり続けているのだろう。
この本は、今がどういう状態でどこに向かっているのかについていろいろなヒントを与えてくれる。内容が多岐で記述が簡潔なのに、断言しているところが少なくていろいろ考えさせられるところもすごく刺激的だった。

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