「中国」も「経済」も話題に上りやすいテーマだが、どちらも巨大なものなのできちんと理解するのは難しく、正解もない。この「中国経済講義」は、神戸大学の梶谷懐先生が中国経済全般について、様々なデータを引用しつつ全般にわたってまとめ、新書のボリュームに落とし込んだ本だ。…
中国経済講義-統計の信頼性から成長のゆくえまで (中公新書){.markup–anchor .markup–h3-anchor} 梶谷懐
中国経済講義-統計の信頼性から成長のゆくえまで (中公新書)
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※著者より献本いただきました、ありがとうございます!
「中国」も「経済」も話題に上りやすいテーマだが、どちらも巨大なものなのできちんと理解するのは難しく、正解もない。この「中国経済講義」は、神戸大学の梶谷懐先生が中国経済全般について、様々なデータを引用しつつ全般にわたってまとめ、新書のボリュームに落とし込んだ本だ。
たとえば、「中国政府発表の統計について、信頼性に疑問符はたしかにつくが、では他のどういうものならば`より正しい`といえるか?」など、皆が思うような疑問について、プロの目から検証してくれている。
「農村と都市で違う戸籍制度」「国営企業と民間企業の違い」など、少し中国経済を調べると出てくるいくつものテーマを、「戸籍の条件は社会制度にある程度の年月加入すること」など、具体的に説明してもらえるのはありがたい。
民間の経済がうまくいっていないところに、かえって大規模な公共事業が投入されるメカニズムなどは、現場感覚だけではわかりづらいところで、確実に勉強になるし、実際に視察した前後のアンチョコとしても役立つだろう。
また、サブタイトル「統計の信頼性から成長のゆくえまで」のように、トランプとの貿易戦争やメイカームーブメントといった新しいところまで扱われているのも本書の魅力だと思う。たとえば6章のメイカー関連では「メイカーズのエコシステム」や「ハードウェアのシリコンバレー深圳に学ぶ」も紹介されている。
現在進行形のテーマだと、どうしても僕のようなプレイヤーからの情報発信が多くなる。プレイヤーからの情報発信は生々しいが、どのぐらい検証可能かどうかは、発信者の信頼度により、社会科学とはちょっといいづらいものだ。研究者がその領域まで入ってきてくれているのはありがたい。
もちろん、現在進行形のテーマを扱うと、固まっていない分リスクは増える。6章で説明されている知財のメカニズムについては、僕はあまり同意しないし、Arduinoの話でオープンソースと商標がごっちゃにされているなどいくつかの間違い(または、省略してはまずいと思われる部分の省略)もあるが、こうしたまだ結論が出てないテーマまで扱われているのはありがたいことだし、プロが相手してもらえるのはお互いの得になる。来年2月には梶谷先生のゼミで話ができそうで、楽しみにしている。
また、6章に限らず全体的に、現在進行形の話題や結論がはっきりと出ていないところは、課題を明示して安易に答えを出していないところもすごく助かるところだ。新書一冊で広いテーマを扱いながら、安易な言い切りがないところも本全体の信頼性を上げている。
ドローンなりスマホ決済なりスパイウェアなり、様々なテーマで中国経済に興味を持つ人は増えてくると思う。入門であり、分野外の話へのわかりやすい解説やアップデートの共有であり、広く読まれて欲しいと思う。
By TAKASU Masakazu/高須正和{.p-author .h-card} on December 9, 2018.
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